【第5回】「導入したシステムを定着させる」
フォレストファームの森です。こんにちは。
4回にわたり「IT導入を成功させる秘訣」をお話してきました。第5回の今回は、このシリーズ最後のテーマとして、「導入したシステムを定着させる」についてお話をします。
<導入したシステムも使われなかったら単なるお金の無駄遣い>
つい先日もとある企業の社長さんから、「うちのシステムって導入して5年になるけど、役にたってないんだよね。全然使えないし。」といったお話を聞きましたが、同様な感想を聞くことは、企業の大小に関わらず本当に多いです。
では、数百万円から高額になると数億円といった貴重な資金を投入して導入したシステムは、本当に使えないものを導入してしまったのでしょうか?
答えは「No」だと思います。導入を検討する段階では、なるべく自社の業務にマッチしたシステムを選んで導入しますが、いくら良くできたシステムでも、100%自社にマッチしたシステムなどありえません。それに、システムを使う側の担当業務部門の担当者にとっては、これまでの仕事の処理方法が変わるわけですから、混乱するのも当然です。
本当に「使える・役に立つ」システムにするためには、導入前後の準備と教育がとても大切になってきます。
<導入したシステムが使われるようになるための方法>
① 業務の変更箇所をしっかりと洗い出して、マニュアル化する
システム導入前と導入後の業務の流れや処理方法が変わりますから、業務ルールを見直して、導入後の業務マニュアルを作成する必要があります。新業務マニュアルを次の社内教育で活用します。
② 新システムの操作方法や使うメリットについて、社内教育を行う
新システムの使い方や、新業務マニュアルについて、説明会を社内で繰り返し開催します。社内で新システムを周知するわけですが、新システムが早期に定着するポイントは、実際に使用する現場担当者に新システムのメリットを感じてもらうことです。
「作業が楽になる・手作業がなくなる・できなかったことができるようになる」はしっかりとアピールしたいポイントです。
③ 社内ヘルプデスクを設置する
ヘルプデスクといっては大げさかもしれませんが、要は社内における問合せ窓口の設置です。新システムを導入すると、現場担当者にとって、これまでとは勝手が違いますので戸惑います。丁寧にフォローすることで、早く慣れてもらえるように導入側スタッフも頑張ります。
④ 経営者から定期的なフォローアップのメッセージを流す
新システム導入の成功に忘れてならないのが、経営者側からのバックアップです。
新システムがスタートする際には、経営者から社内にむけて、新システムの導入の目的やメリットをしっかりとアナウンスしてもらいます。
さらに、稼働したあとは、定期的に新システムから得られた経営情報や社内状況について発信してもらい、「新システムを見ているよ」ということを現場に認識してもらうことで、現場担当者の動機付けやモチベーションアップを行うことも大切です。
<結局は業務のルール化と教育・啓蒙の継続が大切>
一般的にIT活用が進んでいる企業でも、導入したシステムの2,3割の機能しか使われていないとよく言われます。
経営者側とすれば、折角多額の資金を投入して導入したシステムですから、有効活用して仕事の生産性をあげて欲しいですよね。
そのためには、結局は、業務のルールの見直しと標準化と、ITリテラシーを含めた現場教育を根気よく続けていくことに尽きると感じます。これをやり続けないと、すぐに陳腐化して使えないシステムができてしまいます。
次回からは、新しいシリーズをお届けしていきたいと思います。乞うご期待を!
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