【第4回】「中小企業向けIT支援ツールや施策の紹介~EC活用による販路拡大~」
フォレストファームの森です。こんにちは。
このシリーズの4回目の今回は、EC(Electronic Commerce)を活用した販路拡大を支援するサイトとして、中小機構が運営している、【ebiz】をご紹介します。
<【ebiz】とは?>
中小基盤整備機構が運営している「ITプラットフォーム」(https://dx-ouen.smrj.go.jp/)から、【ebiz】のホームページ(https://ec.smrj.go.jp/)に行けます。
【ebiz】とは、国内EC及び越境ECに関して、新規参入方法から売上拡大まで、中小企業がネットショップビジネスで、成功するための情報やノウハウを提供しているサイトです。
<ECの現状>
日本のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)の市場規模は、2020年がコロナ禍の影響でサービス分野のEC市場の縮小により、初めて対前年を下回りました。しかし、2021年では復調し、20兆6,950億円。前年と比較して7.35%増加し、初めて20兆円を超えました。
出所:経済産業省「令和3年度 電子商取引に関する市場調査報告書」
●物販系EC市場が好調。一方でサービス系EC市場は苦戦
2020年の物販系は、コロナ禍における巣ごもり消費がプラスに影響し、市場規模が前年比21.7%増と大幅に伸びました。続く2021年の伸び率は8.61%と前年に比べると鈍化したものの、高い水準で推移しています。
一方、コロナ禍のダメージを最も受けたのが、サービス系分野です。サービス系は旅行、イベントのチケット販売、飲食店予約などを含んでいるため、2019年には7兆1672億円あった市場が2020年には4兆5,832億円と36.05%も減少しました。2021年のサービス系の市場規模は4兆6,424億円で前年より592億円増えましたが、伸び率は1.29%と小幅にとどまっています。
●伸びるCtoC-EC(個人間の電子商取引)市場
※フリマアプリとネットオークションの売上をもとに市場規模を推計
出所:経済産業省「令和3年度 電子商取引に関する市場調査報告書」
CtoC-ECは、2012年ごろにフリマアプリが登場して以来、速いスピードで拡大しています。一方でCtoC-EC取引の中心となるのは、中古品(リユース)市場ですが、偽ブランド品などの不適切な出品がたびたび問題になりました。そこで、2021年4月に、オークションサイトのようなプラットフォーム側の努力義務や出品の停止要請、情報開示請求権などについて定めた「取引デジタルプラットフォームを利用する消費者の利益の保護に関する法律」が成立しています。
<【ebiz】の使い方>
コロナ禍で、その影響力や有効性が改めて認識された、EC市場ですので、自分も参入してみたいと思っている方も多いと思います。
EC市場参入のメリットとしては、1.実店舗よりは初期費用が少なくて済むこと。2.営業の地域(エリア)・時間に制約が少ないこと。などがあります。
デメリット(難しさ)としては、1.お客様との接点が少ない。2.価格競争に巻き込まれる。3.集客が難しい。膨大なサイトの中で、見つけてもらうのが難しい。4.信用してもらえるまでに時間が掛かる。といった面があります。
デメリット(難しさ)を乗り越えるためにも、自社のECサイトを開く前に十分にECについて学習・調査を行い、十分に計画してからスタートしたいものですね。
●【ebiz】のメニュー
【ebiz】では、ECサイトを開設するために必要な情報が満載されています。1.専門家に相談する。2.動画でECについて学ぶ。3.コラム(記事)やイベントで情報を収集する。4.サービス一覧からECプラットフォームなどを調べる。などのメニューが用意されていますので、十分に活用して、ECサイトの構築・運用に役立ててください。
<ECで勝つためには>
ECを上手く活用すれば、販路拡大や売上拡大ができることは十分に可能ですが、参入障壁が低い分、競争も激しい世界でもあります。価格で勝負ができない(やりずらい)中小企業が戦うためには、何かしらの差別化されたビジネスモデルが必要となります。
・特別な商品を企画する/作る
・特別な仕入ルートを開拓する
・ニッチなマーケットに絞る
など、差別化する方法を徹底的に検討したいですね。
次回から、新シリーズをお届けしたいと思います。どのようなテーマでお届けするかは、乞うご期待ください。
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