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森 智亮

もりブログ(第22号)~サステナブル経営から学ぶこと~



【第22号】「~サステナブル経営から学ぶこと~」

フォレストファームの森です。こんにちは。

もりブログでは、月刊誌などに取り上げられた話題から、IT、経営、販売促進など、経営に関係するような時事を読み解く記事をお届けしています。

もりブログ第22号となる今回は、日経トレンディ(2023年2月号)で「目指すは「水産業界のトヨタ自動車」駐車場1台分で“だれでも陸上養殖”」といった、サステナブル経営に関する記事がありましたので、サステナブル経営とは?や、サステナブル経営の成功の秘訣などについて考えたいと思います。


<サステナブル経営とは?>

国際的なSDG’S(Sustainable Development Goals 持続可能な開発目標)に取り組みが活発になっていることは、皆様もよくご存知かと思います。

加速する地球温暖化、人口の爆発的増加、貧困格差など、地球規模のさまざまな問題は、拡大し、複雑化しています。さらに問題が悪化すれば、経済活動や人々の生活を維持できなくなることが危惧されますね。

そうならないためにも地球規模でさまざまな取組がされていますが、その一つとして、地球・環境にやさしい環境循環型の食材や資源開発などがあります。


<サステナブル経営の事例>

サステナブル経営の事例として、環境循環型の食材や資源開発などの事例を見ていきたいと思います。

●株式会社ARK(アーク)

日経トレンディ(2023年2月号)でも紹介されていた、株式会社ARK(アーク)社が開発した「陸上養殖」の事例です。

(駐車場1台分のスペースで手軽に始められる陸上養殖)

2022年11月に世界の総人口が80億人を突破しました。この先も世界的な人口増加は続くものと予想されていますので、ますます、食の確保という問題がクローズアップされてきます。将来の世界の食の確保を、環境保全をしながら、また、植物・動物の乱獲に頼らず調達するためには、計画的な食材の確保という取組は非常に重要な取組ですね。


(出所:PR TIME記事より)

上記写真は、株式会社ARK(東京・渋谷)が開発した、駐車場1台分程度のスペースに設置可能な、コンテナ型陸上養殖ユニット。

エビ専門店「海老乃家」(運営会社FGROW)では、この養殖ユニットを活用して、約2か月~3か月のスパンで、最大数千尾のバイナエビを生産しているとのこと。


この、ARK社が開発した、陸上養殖コンテナのすごいところを何点かご紹介すると、

① コンパクト(9.99㎡)なスペースで設置できること(日本の建築法上、10㎡を超えると建物扱いとなるため、その基準ぎりぎりに抑え、導入を手軽にしている)や、水道・電気の引き込みが不要。

② IOTや自動化技術を活用することで、省力化や無人化に対応。自動で水槽内のごみ収集機能も備え、水槽内の水の循環も行っている。

③ 独自の省エネ技術により、オフグリッド(公共のインフラストラクチャーに依存せず、独立して確保すること)を実現。

といった特徴を持っています。(株式会社ARK ホームページより引用)


従来の陸上養殖は、とても大きな水槽・施設を作り養殖し、付加価値の高い魚を養殖して高く買い取ってもらうというのが一般的な養殖ビジネスモデルですが、初期投資が高くつくため、採算が取れるのに10年以上といった長期になるのが問題でした。

このARKのコンテナ型陸上養殖は、初期投資が500万~1,000万ということで、素早く初期投資を回収できるところも魅力的です。


<サステナブル経営を成功させるには(考察)>

株式会社ARKの「陸上養殖」などの、環境循環型装置開発には、様々なハードルがあります。

ひとつめのハードルは、まずは技術開発です。技術開発の要素としては装置開発、センサー開発、システム開発など多岐にわたりますので、創業者一人ではとても大変ですので、協同開発者(仲間)を集める必要があるでしょう。また、大学や公的研究機関との関係づくりも重要になってくるでしょうから、日頃から積極的に研究会などに参加しておくことも必要ようでしょう。また、技術開発した商品やアイデアの知的資産の取得も行います。

二つめのハードルとしては、製品化に向けた製造事業者の手当です。事業が成功し資金に余裕がでてくれば、自社で製造するという方法も取れると思いますが、初期は資金面で無理でしょう。そのため、開発した装置を製品として製造してもらえる外注先の確保が必要ですが、そのためには、製品図面・品質要求・検査基準などを作成・検証することが必要です。

3つめのハードルは資金調達です。技術開発や製品開発には、多額の資金が必要となるのは想像に容易いかと思います。技術開発には、ものづくり補助金や、サポイン(戦略的基盤技術高度化支援事業)などの国が用意している補助金や施策を活用することができます。また、事業スピードを上げるためには、ファンドなどの出資者を募ることも重要です。民間のファンド会社のみならず、大学系スタートアップファンドや政府系成長支援ファンドなどもありますので、ぜひ、検討してみたいところですね。


今回は、SDG’Sに関連したサステナブル経営の事例を見てみました。いかがでしたでしょうか。では、また次回、お会いしましょう。

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